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知っているようで知らないのが、自分のからだのこと。基礎体温もそのひとつで、月経や妊娠、子宮の病気などのサインとなる、不思議な役割をもっていることを知っていますか。
まず基礎体温について、あなたがどの程度正しく理解しているのかをテストしてみましょう。
女性の体は、卵巣の働きによって周期的にホルモンバランスが変化し、その影響で体温も上下します。排卵後に卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつプロゲステロン(黄体ホルモン)に、体温を上昇させる働きがあるからです。
健康な女性の場合、排卵をきっかけに体温の上昇がしばらく続き(高温期)、やがて体温が下がると月経となり、次の排卵までは体温の低い状態が続きます(低温期)。この基礎体温の変化から、妊娠しやすい時期とか妊娠しているかどうか、子宮や卵巣に異常がないかどうかといった、さまざまなからだの状態を知ることができます。
●高温期(排卵〜月経の前までの約2週間)
●低温期(月経の直前〜排卵までの約2週間)
基礎体温の変化は、あなたにいろいろなことを教えてくれます。
低温期の最終日に一時的に体温が下がります(陥落期)。これが排卵日です。その後も体温が上昇せず低温が続く場合には、月経があっても排卵のない状態(無排卵)の可能性があります。これはプロゲステロンが分泌されていないためで、不妊の原因となるので検査を受けてみましょう。
高温期が約2週間続いたあと、基礎体温が下がりはじめたら、そろそろ月経が始まるというサインです。旅行や出張の予定があるときでも、あわてないですみます。
基礎体温の変化を記録しておくと、自分の排卵日(低温期の最終日)の予測がつくようになります。卵子の寿命はほぼ1日、精子の寿命はほぼ3日ですので、排卵3日前から排卵1日後までの時期が、もっとも妊娠しやすい日ということになります。
体温が高くなって5日以降から、次の月経が始まるまでの期間は、妊娠の可能性が低くなります。でもからだの変調によってズレが生じることもあるので、妊娠を望まない場合には性交のときに避妊しておくほうが安全です。
高温期は約2週間続きますが、高温状態が3週間以上つづくときには、妊娠した可能性があります。
高温期が3週間以上つづいたあと、急に体温が下がって出血があったときには、流産などの異常妊娠の可能性があるので受診しましょう。
2週間程度つづくはずの高温期がいつも短い場合(9日間未満)、卵巣の働きが悪く、プロゲステロンの分泌異常が考えられます。これは不妊の原因ともなるので、検査を受けるようにしましょう。
月経時にも高温状態がつづく場合には、最近増えている子宮内膜症などの病気が疑われます。この場合にも、早めに検査を受けておきましょう。
基礎体温の記録は、医師にとっても大切な診断材料です。婦人科(産婦人科)を受診する際には、できれば2カ月間程度の記録を持参すると、診断の助けとなります。そのためにも日ごろから、基礎体温表を記録しておきましょう。
基礎体温の高温期と低温期の差は、0.3〜0.5度というわずかなもの。ふつうの体温計ではなく、婦人体温計で測りましょう(薬局などで売っています)。正確な基礎体温を測るには、5時間以上の安静が必要なので、ふつうは枕もとに婦人体温計を置いておき、朝目がさめたとき、起き上がる前に測るようにします。
基礎体温表は、方眼紙に日付を書き込み、体温の数値だけでなく、変化がひと目で分かるように折れ線グラフで記録しておきます。毎日測るのが原則ですが、もし忘れた場合でも厳密に考えず、また続けるようにしましょう。
ときどき空白があっても、何カ月か続けるうちには、自分の基礎体温の変化がわかるようになります。基礎体温表には体温だけでなく、その日の体調や出来事(風邪による発熱、頭痛、下腹部痛、月経、服用した薬など)をメモしておきます。簡単な日記をつけるような気持ちで、記録するといいでしょう。記録は、婦人科を受診するときの参考となります。