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月経のある30年〜40年のあいだ、女性のからだでは周期的に、脳、下垂体、卵巣からホルモン産生がみられます。その中心となるのが、排卵という現象です。
女性は胎児のころから、卵巣のなかにたくさんの未成熟の卵胞(原始卵胞)をもっています。10歳くらいになると、種々のホルモンの働きでいくつかの原始卵胞が発育をはじめ、発育卵胞となります。
すると、発育卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が増殖して厚くなります。
2週間くらいして卵胞ホルモンの分泌が高まると、下垂体から排卵を促す黄体形成ホルモン(LH)が大量に分泌されます。すると、一番大きく発育した成熟卵胞から卵子(ふつうは1つ)が飛び出します。これが排卵です。排卵後は卵巣に黄体という組織がつくられ、黄体ホルモン(プロゲステロン)がここから産生され、このホルモンによって子宮内胞は栄養をたくわえます。
多くの場合、卵子は排卵後、卵管をとおって子宮へ向かいます。卵管のなかで精子との出会い(受精)がなく、妊娠が成立しなかった場合、2週間で黄体の寿命がつき、子宮内膜ははがれて出血とともに腟から排出されます。これが月経です。
つまり女性のからだのサイクルは、排卵を中心としたホルモンのサイクル、これに反応した子宮内胞の増殖・分泌、月経とがセットになってコントロールされているといえます。
月経と違って、排卵は卵巣のなかで起こるため、目にはみえません。でも基礎体温をつけていると、排卵日を推定することができます。
健康な女性の場合、排卵は、月経がはじまった日から2週間後くらいに起こります(個人差はあります)。その後、排卵にともなって黄体ホルモンが分泌され、基礎体温が上昇します。ですから低温期から高温期に切り替わったあたり(低温期の最終日前後)が、排卵日ということになります(基礎体温のくわしい話は、「日常の予防・基礎体温の不思議な役割」をご覧ください)。
排卵日の前2〜3日、後1日は、もっとも妊娠しやすい期間です。妊娠を望む場合には最適の時期ですが、卵子の寿命は24時間程度なので(精子の寿命は数日間)、1回の排卵による妊娠率はそれほど高いわけではありません。
反対に妊娠を望まない場合、排卵日の前後はしっかり避妊をする必要があります。ただ排卵や基礎体温の変化は、体調などに影響されてズレが生じやすいので、その後も妊娠の可能性がないわけではありません(きちんと避妊する必要があります)。
排卵のときに、一時的に少量の出血がみられることがあります。これは排卵期出血といって問題はありませんが、出血がつづいたり、量が多い場合には受診してください。
排卵はあっても卵子が良い環境で発育しなかったか、排卵が順調に起こらなかったりするケースを、排卵障害といいます。月経はあるのに、排卵がまったくないケースもあります(無排卵周期症、無排卵性月経)。
原因としてはまず、ストレスや激しいスポーツ、無理なダイエット、肥満、睡眠不足などによる、ホルモンバランスの乱れが考えられます。また卵巣の発育不全や病気、服用している薬の影響などによって、排卵障害が生じることもあります。
排卵障害があると、基礎体温や月経にもなんらかの異常がみられることが多いので、日頃から注意することが大切です。
排卵障害の原因はさまざまなので、かならず産婦人科や婦人科医に相談しましょう。大きな病気が隠されている可能性もあります。